海に浮かぶ監獄の島、アルカトラズ刑務所の上陸ツアー

サンフランシスコの沖合い2.5kmに浮かぶアルカトラズ島。フィッシャーマンズワーフからも肉眼で見えますが、ピア33から出港するフェリーで上陸することもできます。
アルカトラズ島は1963年まで連邦刑務所として使われていて、脱出不可能な絶海の孤島という立地から、凶悪犯の収容施設となっていて、大物ギャングのアル・カポネなどもここに収監されていました。
刑務所内の監視体制は厳しく、脱獄対策は二重三重に張り巡らされ、仮に刑務所を脱出できたとしても、周囲は潮流の速い海なので、サンフランシスコまでたどり着くことはできません。
だからこそ脱獄事件はドラマチックで、1946年の脱獄事件では看守の武器を奪って銃撃戦になったり、1962年の脱獄事件ではベッドに人形の頭を残して通気口から脱走したり、もはや映画の中の世界のよう。
実際、クリント・イーストウッド主演の「アルカトラズからの脱出」など映画の主題にもなっています。



アルカトラズ刑務所の見学ツアーもよくできていて、単なる史跡見学ではなく、観光客を飽きさせないエンターテイメントに仕上がっています。
入り口で音声ガイドのヘッドホンが配られ、刑務所内を指示に従って歩きながら、刑務所での暮らしや脱獄事件の顛末など臨場感たっぷりに楽しむことができます。(もちろん日本語にも対応してます)
アルカトラズクルーズをWEB予約
アルカトラズ島へのフェリーは下記のサイトから予約できます。2019年5月時点では大人1人39.9ドルで、往復のフェリー運賃と刑務所内の音声ガイドツアーが含まれます。
▼Alcatraz Cruises
https://www.alcatrazcruises.com
当日券で乗れることもあるかもしれませんが、特に休日は混み合うので、たぶん予約しておいたほうが安全です。ちなみに私は月曜の8:45の便に前日予約で乗りましたが、見たところ満員でした。
ネットで予約するとQRコードが発行されるので、それを持って乗り場に直行して、係員にスマホを提示すればOK。窓口でチケットとの交換などは不要です。ちなみにQRコードを端末で読むのかと思いきや、特にチェックはなく、画面を見せるだけで乗れました。




フェリーは船室とデッキがあり、乗船時間は15分程度。船からはサンフランシスコの町並みやゴールデンゲートブリッジも眺めることができ、それだけで乗る価値があります。乗客のほとんどは白人だったので、たまたまかもしれませんが、アメリカ人の国内旅行客が多いのかなという印象でした。
アルカトラズ島に上陸
アルカトラズ島に到着すると、最初に全員集合してガイダンスの説明があり、以降は各自好きなペースで自由行動です。
船着場から小高い丘の上に登っていくと、丘の上にアルカトラズ島のメインプリズンがあります。
ここで音声ガイドツアーが45分ほど。島をぶらぶら散策する時間も入れると、だいたい1時間半〜2時間ぐらいの所要時間でしょうか。
帰りの便は特に指定はないので、好きな時間に帰ることができます。私は結局、ピア33を8:45に出港して、10:55アルカトラズ島発のフェリーで帰りました。



メインプリズンは鉄格子の入った独房がまるで工場のようにずらっと並んでいて、看守は監房フロアを見渡せるガン・ギャラリーから見張っていて、何かあれば発砲して制圧できるようになっています。
独房はベッドと机と便器が置いてあるだけの狭い空間で、まさに監獄という感じ。日本の監獄のように扉付きの密室にはなっておらず、動物園のように全面鉄格子なので、プライバシーも何もありません。
ドラマ仕立ての音声ガイドツアー
面白いのは、離島だけに看守たちもアルカトラズ島に住んでいる点です。受刑者の収監棟とは別に、看守たちの家も島内にあり、自由にサンフランシスコ市内に遊びに行くことができました。
かたや受刑者たちは、目の前にサンフランシスコの町が見えているけど、もちろん外に出ることはできません。音声ガイドの説明では、毎年大晦日になると、サンフランシスコで大騒ぎする楽しげな声が、2.5km沖合いのアルカトラズ刑務所にも聞こえていたとか。



そんな解説を交えながらの見学は色々と工夫されていて、受刑者側の目線から看守側の目線と双方紹介しつつ、面会室や食堂などの施設を見て回りながら、だんだん往時のアルカトラズ刑務所の世界にシンクロして行く感覚が新鮮でした。
そもそも監獄島というハード自体とても魅力的ですが、ソフト面でも観光資源をフルに活かして楽しんでもらおうというスタンスは、日本でももっと見習ったほうがいいんじゃないかと思いました。
なぜ人気の観光地なのかよくわかりました。
↓アルカトラズ島行きのフェリーが発着するピア33はこちら