サンフランシスコのもう一つの顔!世界最大のチャイナタウン

フィッシャーマンズワーフやケーブルカーなど、いかにもアメリカ!カリフォルニア!なサンフランシスコですが、世界最大(アジアを除く)のチャイナタウンがあり、移民の町としての歴史も魅力のひとつです。
サンフランシスコのチャイナタウンは1850年代のゴールドラッシュの時代に移民労働者として大量に中国人がやってきたのが始まりだそうです。
そもそも、サンフランシスコの成り立ちは1776年にスペインが要塞を築いたのが始まりで、1821年のメキシコ独立に伴いメキシコ領となり、その後の米墨戦争を経てアメリカ領になったのが1847年です。
当時はまだ人口1000人程度の小さな町に過ぎなかったのですが、金鉱が発見された途端に世界中から移民が集まり、巨大な町へと発展しました。



中国人移民によりチャイナタウンが誕生
そんな移民の中で圧倒的に多かったのが中国人です。当時の中国は清の時代。アヘン戦争やアロー戦争による戦乱が続き、さらに太平天国の乱も勃発し、社会は混乱状態でした。
そんな中国を脱出して、新天地を求めてたどり着いた先がサンフランシスコです。
彼らはゴールドラッシュで誕生した新しい街の初期メンバーとも言える存在なので、他のヨーロッパなどのチャイナタウンのように、元々存在していた白人コミュニティに割り行って誕生したチャイナタウンとは成り立ちが異なります。
Wikipediaによると、サンフランシスコの人口の19.6%は中華系で、アイルランド系8.8%、ドイツ系7.7%を押さえて、民族構成としては最大派閥だそうです。
生活の場としてのチャイナタウン
そんなサンフランシスコのチャイナタウンは、日本の中華街などとは比べものにならないほど巨大で、観光地というよりは、中華系住民たちの生活の場という感じ。
中華食材のスーパーでは、チンゲンサイなど中華料理に使う生鮮野菜がたくさん売られており、生活者向けなんだなあと実感しました。




とはいえ、中国本土の風景と似ているかと言うと少し違います。看板は漢字だし、中国風のお店がたくさん並んではいるのですが、明らかに中国とは雰囲気が異なります。
ルーツは19世紀の中国の町並みなのだと思いますが、その後中国本土は共産主義国となり、文化大革命などを経て、全く異なる社会に変化したのに対して、サンフランシスコのチャイナタウンは、19世紀の中国のまま異なる進化を遂げた結果、本土とは似て非なる独特の町並みになったのではないかと想像されます。
中国本土はもちろん、香港とも台湾とも違う、サンフランシスコのチャイナタウン独自のレトロな町並み。不思議な異国情緒があっておすすめです。