瀬戸内国際芸術祭1:オオテと呼ばれる石垣集落が残る女木島へ

3年に一度開催される瀬戸内国際芸術祭。2019年は開催年ということで、1泊2日で瀬戸内の島々を巡ってきました。まずは女木島編です。
瀬戸内国際芸術祭は2010年に始まり、2013年に第2回、2016年に第3回、そして2019年に第4回が開催されています。
四国には地縁があり、ほぼ毎年訪問しているのですが、瀬戸内国際芸術祭は2010年に直島に行ったきり、しばらくご無沙汰でした。
今回は高松に宿泊して、1泊2日の日程で女木島・男木島・大島の三島に行ってきました。

数ある島の中でこの三島を選んだのは、直島と小豆島には行ったことがあるのと、行ったことのない島の中で、できれば効率よく複数の島に行きたかったためです。
高松-女木島-男木島は元々フェリー航路で結ばれていましたが、2019年から男木島-大島という路線が新たに登場したため、高松-女木島-男木島-大島をまとめて回ることができるようになりました。
今回の行程はこんな感じです。
1日目
13:10 高松-13:30 女木島
16:10 女木島-16:30 高松
高松泊
2日目
9:10 高松-9:40 大島
11:30 大島-11:45 男木島
13:00 男木島-13:40 高松


というわけで、まずは1日目の女木島です。
女木島は昔から「鬼ヶ島」として知られていて、山の頂上に鬼が住んでいたという巨大な洞窟があります。
高松からのフェリーが到着すると、港に隣接する「おにの館」で大洞窟行きのチケットを購入し、目の前の駐車場からバスに乗るのが一般的。もちろん徒歩やレンタサイクルでも行けますが、そこそこ距離のある山道なので、たぶんバスが無難だと思います。
鬼ヶ島伝説が残る大洞窟
鬼ヶ島大洞窟は自然の洞窟ではなく、人口の洞窟だそうで、昭和6年に発見されて、桃太郎伝説の鬼ヶ島という説が唱えられたことで、以降は鬼をフィーチャーした観光スポットになりました。
洞窟そのものはすごいですし、誰が何の目的で作ったのか、大変興味深いのですが、鬼ありきなので、随所にコミカルな鬼の人形が展示されていて、なかなかのパラダイス感。。
本来はなぜこの場所が桃太郎伝説と結びついたのか、実際には何だったのかなどを学術的に掘り下げたり、鬼なら鬼でガチで怖い鬼にするとか、せっかくの観光資源なので、もう少し考えた方がいいんじゃないかと思いました。
洞窟内には瀬戸内国際芸術祭のアート作品として鬼瓦が展示されていますが、これも微妙な感じでした。アートではないような。。



石垣に守られた伝統的集落
と脱力しつつ、大洞窟からは再びバスで港まで戻って、個人的に女木島のお目当てだった「オオテ」の集落を散策しました。
瀬戸内海は穏やかなイメージがありますが、冬場の季節風は激しいようで、強風から家屋を守るためにオオテという石垣が作られたそうです。
風対策なので、家が屋根まですっぽり隠れるぐらいの高さで石垣が築かれていて、まるで要塞のよう。
(鬼ヶ島というなら、むしろ洞窟よりもこちらの方が鬼ヶ島っぽい、、)
ちなみに、瀬戸内海の風が強いなら、他の島でも石垣が作られても良さそうですが、どうやら女木島の山の位置が関係しているようで、山からの吹き下ろしが波を巻き上げるため、防風だけでなく防潮の役割も果たしているそう。
オオテに囲まれた集落そのものは、一部瀬戸内海国際芸術祭のアート作品となっている建物もありますが、基本的に観光化はされておらず、ごく普通の生活の場になっています。



夏場賑やかなのは海水浴場と海の家で、観光的には鬼ヶ島大洞窟と海水浴がメインになっている感じですが、実はオオテの集落をもっとフィーチャーしたほうがいいんじゃないかとも思いました。
ちょうど夏休み期間ということもあり、帰りの16:10発のフェリーは海水浴客も多く、30分前ぐらいから大行列で、乗り切れない人もいるぐらいの混雑ぶりでした。


